わたしとシロくん
シロくんが わたしのお兄ちゃん
シロくんは玄関の敷物の上にいる
ごわごわした白い毛のむねにもたれて わたしは眠る
母さんの夢を見る
母さんは どこかでわたしを見ている
どこなのか 探し続ける
暗い森
大きな木
藪
藪をくぐり 明かりをさがして
母さん 母さん と呼び続ける
探しても探しても 見つからない
藪の中で 光るものがわたしを見ている
気がつくと シロくんが わたしをぺろぺろとなめている
光っていたのは シロくんの茶色の目
目を覚ましたわたしは シロくんのしっぽと遊ぶ
パタリ パタリ
動くしっぽに狙いをつけて
腰を高く上げて おしりをふって
スリッパの陰から
狙い定めて飛び掛る
シロくんはゆっくりと
何時までも
パタリ パタリ
しっぽを振り続ける (わたしはサクラから)
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