2019年11月28日木曜日

『翼をつくる金魚たち~千田ふみ子作品集』


『翼をつくる金魚たち~千田ふみ子作品集』


A5判上製本204ページ 定価1500円+税

ISBN978-4-905036-18-0 C0093

 
帯文より
「昭和」という時代をけなげに、たくましく生きていた子どもたちを活写する千田ふみ子の童話集(菊永謙)

 

著者 千田ふみ子

大石真に師事。著者に『エンゼルうさぎ空をとぶ』など

 

絵  浜田洋子 

武蔵野美大、油絵科卒。児童書の挿画、絵本の仕事を中心に活躍。

 

内容目次

 

Ⅰ 童話

はしをわたって

サトコのおにぎりや

がまおばさん

よこづなくん

ヤスさんといたちの村

フーくんのやきゅう

しょうきゃくろにあつまれ

かいがんでんしゃネム号

子猫の赤いランドセル

 Ⅱ 詩 エッセイ 創作

かいつぶり

ぼくの小鳥

初空襲の記憶

魅せられた一冊 ミシェル・マゴリアン作『おやすみなさいトムさん』

寒夜

翼をつくる金魚たち

2019年8月7日水曜日

山本純子詩集 『給食当番』

詩集 『給食当番』        

2019825日発行発売

著者 山本純子

イラスト装幀 ルイコ

ISBN 978-4-905036-17-3

四六判64ページ並製 定価800円+税

詩人山本純子がこどもに読んでもらうために書き下ろした小詩集

 
著者 山本純子


2000 詩集『豊穣の女神の息子』花神社

2004 詩集『あまのがわ』花神社(第55H氏賞)

2007 詩集『海の日』花神社

2009 句集『カヌー干す』ふらんす堂

2009 朗読CD『風と散歩に』

      ミュージカルひろば「星のこども」発行

2014 少年詩集『ふふふ』銀の鈴社

2017 俳句とエッセイ『山ガール』創風社出版

2018 詩集『きつねうどんをたべるとき』ふらんす堂

 

この小さな詩集の中に、あなたのふだんの生活やふと想像することと、ひびき合う作品があったでしょうか。もし一つでもあったら、ぜひその詩を声に出して読んでください。声にすると、詩はいっそうきげんがよくなります。 (山本純子;あとがきから)

 

作品抄 (本詩集から)

 

  ってこと

 

すき きらい

すき きらい って

マーガレットの花びらを

むしるより

 

くつを

ポーンと 空へけり上げて

うらなおう

 

落ちたくつが 横向きだったら

くつが うらない初心者で

ちょっと なやんでる ってこと

 

 

  黒ネコ

 

黒ネコが 音もなくやってきて

ろうかの出入り口から

すっと 中をのぞきこむと

そのまま 音もなく去っていった

 

きっと 気になったんだ

算数のドリルをといている

わたしだって

さっきから 気になっている

 

ろうかのおくの

給食室から ただよってくる

シチューのにおい

 

 

ワリバシ先生

 

家に ワリバシが余っていたら

ワリバシ先生のところへ持っていく

 

職員室の

ワリバシ先生の引き出しには

ワリバシが ぞくぞく集まっていて

 

うわさでは 真夜中に

ワリバシたちが 剣の試合をするらしい

 

お弁当の日に おはしを忘れて

ワリバシせんせー って大声で呼ぶと

本名 大橋先生が

パシッ と一ぜん わたしてくれる

 

 

山わらう

 

白でも 黄色でもない

ひよこの色

 

えだから めぶいた 葉っぱには

緑に ひよこの色が まじっている

 

風が ふくと

葉っぱのひよこが くすぐったがって

ひよひよ ひよひよっと わらう

 

葉っぱのひよこたちが

いっせいに くすぐったがって

山わらう

 

 

〝山わらう〟は春の季語です。春の山の明るい様子を表したことばです。

2018年5月9日水曜日

第22回三越左千夫少年詩賞に『ともだちいっぱい』 田代しゅうじ詩集の受賞が決まりました。

第22回三越左千夫少年詩賞に『ともだちいっぱい』 田代しゅうじ詩集の受賞が決まりました。

田代しゅうじ
鹿児島県生まれ。一九八二年 「少年と海」「ねこと少年」で第二回児童文化の会童詩童謡賞、「おじいさんのたばこ売り」で児童文化の会創立三十周年記念・児童文化の会童詩童謡賞受賞、詩集『少年と海』で第十六回埼玉文芸賞を受賞。主な著書 詩集『少年と海』(けやき書房) 『野にある神様』(てらいんく) ほかに『ふるさとの民話』『現代おばけ民話』など共著多数。詩誌『みみずく』同人。
 
http://sikinomorisya.blogspot.jp/2017/03/blog-post.html

2017年11月11日土曜日

ざわざわ4ができます

ざわざわ4がようやくできます。

ざわざわ─こども文学の実験 第4号

2017年1115日 発行

編集 草創の会  発行所 四季の森社

定価 本体1200円+税 A5並製 336ページ

ISBN978-4-905036-16-6 C0095

特集 神沢利子   

神沢利子アルバム

神沢利子さんに聴く(聴き手・いとうゆうこ)

 ─幼年時代は今もわたしのまわりに 

 「いないいない国へ」の幻郷 吉田定一

 幼年期からの根源的な問い きどのりこ

 ほか

小特集〈心を揺さぶられた詩・童謡〉

 谷萩弘人 いずみたかひろ 宇部京子 ほか

連作「あらわれしもの」④ あらわれしもの・ひめりんごちゃん 最上一平

エッセイ―魅せられた一冊─『エルフギフト 上:復讐の誓い 下:裏切りの剣』小川英子

詩はどこにあるか2『詩の絵本』の試み 宮川健郎

ほか
 
※なお、発行が年に一度のぺースになっておりますので、申し訳ございませんが今後の定期購読はお受けできません。今後の発行のご連絡はメールできますのでご希望の方はメールでその旨ご連絡ください。よろしくお願いいたします。

2017年3月26日日曜日

名嘉実貴詩集 オレンジ色のあかり


名嘉実貴詩集 オレンジ色のあかりができます。

 

2017415日  発行

著 者  名嘉 実貴      

絵   三田 久美子    

ISBN978-4-905036-14-2  C0092  

A5変型上製本 本文128ページ 定価:本体1200円+税

 

著者 名嘉 実貴

一九七一年生まれ、秋田市出身。福島大学大学院修了詩誌「みみずく」「縄」同人。現代少年詩の会会員を経て草創の会「ざわざわ」会員。日本児童文学者協会会員。

 

帯文から

女の子から少女期へと移り変わる折々の心の風景を

季節の彩りと共に描き出す少女詩集――菊永謙

 

詩集から

 

 

ひとりで 名嘉実貴

 

 

わたしのつくえ

わたしの本だな

わたしのおへやをもらった

小学生になったから

 

でもね今夜からひとりで寝るの

もう小学生だから

 

  ひとりで だいじょうぶ

 

おかあさんといっしょに

ふとんをはこんだ

新しいシーツをぴんとはった

かけぶとんとまくらを

そろえた

 

  ひとりで だいじょうぶ

 

おかあさんも言っている

ひとりでだいじょうぶ

もう小学生だからって

 

パジャマに着替えた

あした 着る服を

まくらもとにそろえた

おふとんに入る

なかよしのうさちゃんも

いっしょ

だいじょうぶ ひとりで

 

おやすみなさい

 

おかあさんが

パチンと

あかりを消した

 

おかあさん

ちょっと まって

オレンジ色のあかりは

つけてちょうだい

 

 

 

 

ほしいもの 名嘉実貴

 

 

あみもの おしえて

おかあさん

 

右足と左足

あたままで

すっぽり かくれてしまう

くつした

ほしいの

 

いちょうのはっぱのような

黄色

さざんかのはっぱのような

みどり色

みかんの色が

まざった

毛糸のくつした

ほしいの

 

お店にはないんだ

 

   ずいぶん大きな

   プレゼント

   ほしいんだね

   サンタクロースは

   持ってきてくれるかしら

 

プレゼントじゃないよ

 

おおきな

おおきな

くつしたがあったら

かくれんぼ

できるよ

 

ねむくなったら

おひるねの

おふとんになるよ

 

キャンプにだって

持っていける

満天の星空の下で

眠ってみたいな

 

せかいにひとつだけ

自分だけの

くつした

つくりたいんだ

2017年3月4日土曜日

田代しゅうじ詩集 ともだちいっぱい




田代しゅうじ詩集 ともだちいっぱい ができました!

 

2017 3 19 日  発行

著 者  田代 しゅうじ

 絵   篠原 晴美

ISBN978-4-905036-15-9 C0092

A5変型上製本 本文176ページ 定価:本体1400円+税

 

著者 田代しゅうじ

鹿児島県生まれ。一九八二年 「少年と海」「ねこと少年」で第二回児童文化の会童詩童謡賞、「おじいさんのたばこ売り」で児童文化の会創立三十周年記念・児童文化の会童詩童謡賞受賞、詩集『少年と海』で第十六回埼玉文芸賞を受賞。主な著書 詩集『少年と海』(けやき書房) 『野にある神様』(てらいんく) ほかに『ふるさとの民話』『現代おばけ民話』など共著多数。詩誌『みみずく』同人。

 

帯文から

子どもたちとの出会いから生まれた詩群は

未来へはばたく子どもたちへの熱い伝言@メッセージ@を含み、

遠き日の友や父母へのふりかえりは歩み来たる人生の深みをひそかに物語る――菊永謙

 

詩集から

 

言葉 田代しゅうじ

 

自由に

明るく

元気に

君らしく

言葉で話そう

我慢することはない

誰も聞きたいのだ

胸の中にためて悲しむことはない

言葉で話そう

ほら君の言葉で話そう

言葉が聞こえないことほど

悲しいことはない

苦しむことはない

秘めていることがあれば

君の言葉で話そう

君の瞳が

今言葉ではなそうと輝いている

君なら出来る

言葉で話そうよ

悲しみのつまった

胸のうちをはらせ

 

 

石  田代しゅうじ

 

光輝く宝石ではない

川原の石

水に洗い磨かれた石

白く乾いた石が好きだ

 

濁流に流されても

川原の石は

ごろごろごろごろ

 

流されても

川原にでんと座り

いつも きらくだ

 

表面を

まるくして

ごろごろごろごろ

太陽をあびてねむっているのではない

 

川原の石はそれぞれに座る役割がある

川原の石が好きだ

役割の中に黙って座る石が好きだ

 

 

友達 田代しゅうじ

 

みんな友達

いっしょに遊んで

いっしょに勉強して

いつもいっしょに

いつもいっしょに

 

みんな友達

こまったことがあったら

いっしょに相談し

うれしいことがあったら

いっしょによろこんで

 

みんな友達

わからないことがあったら

みんなで考え

おもいものはみんなではこび

 

みんな友達

一人じゃないよ

みんなではげましあい

なかよく手をとりあって

みんな力をあわせよう

みんな友達

みんな友達

 

 

一生懸命 田代しゅうじ

 

一生懸命がいい

だらしがないとか

うそをつくなとか

一生懸命がいい

まじめに生きてほしい

頑張る心が大事と

一生懸命がいい

何事も

何事も

一生懸命がいい

運動会でどんけつでも

勉強がびりでも

まじめに生きること

おかあさん

そういって励ましてくれましたね

おかあさん

ありがとう

 

 

方言 田代しゅうじ

 

みんな方言でかたろう

ふるさとの人ばっかり

一年に一度のふるさと会

おもいきり方言でかたりもそ

よかが

よかが

こげんうれしこたなか

はんも

おいも

よかがよかが

みんなないでんかたらんけ

よかが

よかが

やまいもをほらんなよか

よかが

よかが

みんなかごしまじゃ

みんなよかひとじゃ

よかが

よかが

他人のわるぐちやいわんほうがよか

他人のこつもいわんことじゃ

よかが

よかが

方言なよか

方言なよか