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2020年12月7日月曜日

『うたうかたつむり』詩:野田沙織  絵:浜田洋子

 


『うたうかたつむり』詩:野田沙織  絵:浜田洋子

2020 12 25 日 発行 四季の森社 定価:本体1200円+税

ISBN978-4-905036-25-8 C0092

 

著者略歴 野田沙織(のださおり)

一九七九年三月二日、東京生まれ。福岡で育つ。九州大学文学部卒業。在学中に「詩の少年・詩の少女」入賞。卒業後は図書館司書として働く。同人誌「マグノリアの木」「みみずく」に参加。児童文学誌「ネバーランド」「ざわざわ」「少年詩の学校」などにも詩やエッセイを発表。二〇二〇年七月七日、病気にて急逝。享年四十一歳。

 

本集から

 

 

 かたつむり

 

かしゃ

足の下で こなごなになった

それは きのうここにいた

かたつむり

だったかもしれない

 

そんなにも

たよりない殻で

きっぱりと

身をまもっていたのに

ごめんなさい

 

かしゃ

とりかえしのつかない

しずかな

音だった

 

 

らったった

 

 

アライグマも

ワライグマも

ワルイクマも

 

あつまった

わになった

らったった

 

 

やくそく

 

 

ならない口笛

ふかふか吹いて

少しだけ 空を向いて

自転車に乗ってたら

 

  たぶん

  わたし

 

もしかして

出会う前かもしれなくて

じゃなきゃ もう一度

生まれた後かもしれないけど

 

口笛といっしょに

うたってくれたら

 

  振り向くよ

  にっかり

 

 

 たまご

 

 

うっかり

だきとめてしまった

 

あんまり しずかに

あんまり しぜんに

あなたは

あずけていったから

 

まだ かえらないたまごだ と

おもったものは

だんだん あたたかく

だんだん やわらかく

ふくらんで

 

あなたが

むかえにこないまま

うでのなかで たまごが

かえったら

 

なにをたべる いきものの

わたしは

おかあさんになるんですか

 

ゆめか

くもか

わたがしくらいなら

つかまえてあげるつもりです

2021年4月29日木曜日

野田沙織さん 三越左千夫少年詩賞を受賞!

 四月中旬、日本児童文学者協会の関係者様から電話があり、今年度の三越左千夫少年詩賞に野田沙織さんの詩集『うたうかたつむり』が受賞したと伝えられました。

 野田さんの詩集『うたうかたつむり』は数年前から出版のご相談をいただいていたのですが、昨年の3月から詩集の編集が始まり、初秋には刊行の予定でした。画家の浜田洋子さんに挿絵などをお願いして編集を進めていた矢先、7月7日に野田さんは病気で41歳の若さで急逝されました。ご家族の意向もあり、12月に詩集を刊行いたしました。

 野田沙織さんは学生時代から詩作をはじめ、300名ほど応募があった詩のコンテスト「詩の少年詩の少女」で見事に入賞し、その後詩誌「マグノリアの木」「みみずく」などで詩作品を発表し、また児童文学誌「ネバーランド」「少年詩の学校」「ざわざわ」などに詩やエッセイを発表されていました。詩作において詩の言葉を吟味し、選び抜くことを徹底されていたことが印象的です。

 詩集原稿をまとめられた時に、その暗さについてメールで触れると「詩のダークさについては…自分では毒の部分も大切にしながら、救いのない書き方はしていない」とお返事をいただいたのがいまだ記憶にあたらしいです。昨年の2月のことでした。

 もっと早くお元気なうちに詩集が刊行できていたらと惜しまれますが。むしろこうして一冊の詩集として残せたことを喜ぶべきかと思います。しかも名誉ある三越賞を受賞されたことを版元としてとても嬉しく思っております。野田さんのごめいふくをお祈りします。