2017年3月26日日曜日

名嘉実貴詩集 オレンジ色のあかり


名嘉実貴詩集 オレンジ色のあかりができます。

 

2017415日  発行

著 者  名嘉 実貴      

絵   三田 久美子    

ISBN978-4-905036-14-2  C0092  

A5変型上製本 本文128ページ 定価:本体1200円+税

 

著者 名嘉 実貴

一九七一年生まれ、秋田市出身。福島大学大学院修了詩誌「みみずく」「縄」同人。現代少年詩の会会員を経て草創の会「ざわざわ」会員。日本児童文学者協会会員。

 

帯文から

女の子から少女期へと移り変わる折々の心の風景を

季節の彩りと共に描き出す少女詩集――菊永謙

 

詩集から

 

 

ひとりで 名嘉実貴

 

 

わたしのつくえ

わたしの本だな

わたしのおへやをもらった

小学生になったから

 

でもね今夜からひとりで寝るの

もう小学生だから

 

  ひとりで だいじょうぶ

 

おかあさんといっしょに

ふとんをはこんだ

新しいシーツをぴんとはった

かけぶとんとまくらを

そろえた

 

  ひとりで だいじょうぶ

 

おかあさんも言っている

ひとりでだいじょうぶ

もう小学生だからって

 

パジャマに着替えた

あした 着る服を

まくらもとにそろえた

おふとんに入る

なかよしのうさちゃんも

いっしょ

だいじょうぶ ひとりで

 

おやすみなさい

 

おかあさんが

パチンと

あかりを消した

 

おかあさん

ちょっと まって

オレンジ色のあかりは

つけてちょうだい

 

 

 

 

ほしいもの 名嘉実貴

 

 

あみもの おしえて

おかあさん

 

右足と左足

あたままで

すっぽり かくれてしまう

くつした

ほしいの

 

いちょうのはっぱのような

黄色

さざんかのはっぱのような

みどり色

みかんの色が

まざった

毛糸のくつした

ほしいの

 

お店にはないんだ

 

   ずいぶん大きな

   プレゼント

   ほしいんだね

   サンタクロースは

   持ってきてくれるかしら

 

プレゼントじゃないよ

 

おおきな

おおきな

くつしたがあったら

かくれんぼ

できるよ

 

ねむくなったら

おひるねの

おふとんになるよ

 

キャンプにだって

持っていける

満天の星空の下で

眠ってみたいな

 

せかいにひとつだけ

自分だけの

くつした

つくりたいんだ

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